眠りの悩みは機能性表示食品で解決できる?
機能性表示食品は科学的根拠を持っているのが特徴なため、きっと表示されている機能性に応じた魅力的な効果が得られると思っている人も多いでしょう。現代社会では眠りの悩みを持っている人が増えていますが、機能性表示食品なら眠りの問題も解決できるのでしょうか。
この記事では、その実態と注意点についてわかりやすく説明します。
機能性表示食品は医薬品ではない
眠りの悩みを解決したいと思っている人がまず大前提として理解する必要があるのが、機能性表示食品の意味です。機能性表示食品は医薬品ではないため、効果効能について謳うことはできません。機能性表示食品は厚生労働省が確かに効果があるものだと認めた医薬品とは異なり、機能性表示食品の届出をした企業が科学的根拠を見つけたものというのが特徴です。
企業が独自に研究をして科学的根拠を見つけた場合もありますが、文献的に知られている内容を調査して機能性がある根拠にしていることもあります。ただ、実際に科学的根拠が見つかっているものを商品化しているため、効果が期待できるものだとは言えるでしょう。
つまり、どんな科学的根拠があって機能性表示が行われているのかを理解して摂取することが機能性表示食品に共通する重要なポイントです。眠りの悩みに対策しようと思ったときには、自分が具体的にどのような悩みを抱えていて、表示されている内容によって解決できるのかを考えましょう。
そして、科学的根拠として何が示されているのかを調べて、確かにこのような研究結果があるなら自分にも意味がありそうだと思ったら摂取を続けるのが良い方法です。これは眠りの悩みに対策する場合に限らず、機能性表示食品を選ぶ上で欠かせないポイントですので覚えておきましょう。
眠り対策の機能性表示食品の種類
眠りの悩みに対策できる機能性表示食品にはいくつか種類があります。代表的なのがギャバと呼ばれる成分を含んでいる機能性表示食品です。ギャバはGABAと表示されることも多い成分で、ガンマアミノ酪酸と呼ばれる物質名を持っています。
これは体内で神経伝達物質として用いられている成分として知られています。神経活動を抑制して穏やかな活動度に調節する役割を持っている神経伝達物質で、不足すると神経活動が活発になり過ぎるリスクがあると考えられています。
そのため、ギャバを使った研究開発が精力的に進められてきました。科学的根拠となる情報は多岐にわたっていて、睡眠に関わるものだけではありません。ただ、不眠症対策になるのではないかという切り口での研究も多数あり、人でも良い効果があるのではないかと示唆する情報がたくさん論文などで報告されています。
その中の一部を参照し、ギャバを含む食品が機能性表示食品として認められてきているのが現状です。一方、乳酸菌を利用して眠りの悩みに対策できるようにした機能性表示食品もあります。乳酸菌の機能性は様々な角度から検証されてきていて、自律神経系の活動をうまく調節できるようにする機能があるのではないかという結果が次々に得られてきています。
機能性表示食品の内容として、必ずしも眠りに関わることが盛り込まれているとは限りませんが、メーカーの公開情報では睡眠状態を改善することを示唆するような内容がしばしば見られるようになりました。そのため、眠り対策の食品として乳酸菌を使用しているものも注目されるようになってきています。
ただし、この場合には睡眠に関する表示で届出をしていない機能性表示食品に関しては、消費者庁が科学的根拠があると見なしたものではないので注意しましょう。
機能性表示食品で眠りの悩みに対処するときの注意点
機能性表示食品で眠りの悩みに対策しようと考えたときには、2つの注意点があります。まず、機能性表示食品の眠りの悩みに関する表示をよく理解し、自分の眠りの問題に対処できるかを詳しく確認しましょう。眠りに入るのが苦手なのか、途中で何度も目が覚めてしまうのか、起き抜けがつらいのかといったことは人によって違います。
表示を見てみるとどのような症状に対して良いのかが何となく理解できるようになっているので、表示をしっかりと読みましょう。はっきりとこれに対して効果があるとは書けないのが機能性表示食品ですから、察する力も求められます。
もう一つ重要な注意点として、即効性があるわけではないと理解して継続することです。機能性表示食品がどのような科学的根拠によって届出されたかによって違いはありますが、大抵の場合には継続的な摂取によって改善が見られたという結果になっています。
そのため、摂取したらすぐに眠りの悩みが改善するといったことは難しいでしょう。不安がある場合には何が根拠になっているのかを調べて、どのくらい摂取を続ければ良いのかを確認しましょう。
継続のストレスがない食品を選ぼう
機能性表示食品によって眠りの悩みを改善したいと思うなら、できるだけ食べるストレスがないものを選びましょう。摂取を継続しなければならないケースが多いため、食べるのがつらいと効果が得られません。ストレス自体が睡眠障害を引き起こす原因の一つとしても知られているため、喜んで食べられるか、特にストレスを感じずに摂取を続けられるものにするのが賢明な判断です。
おいしい食品があれば、それに越したことはありません。あるいはサプリメントで気軽に摂取できるようにするのが合理的な方法でしょう。
基本は生活改善だと考えよう
正しい機能性表示がなされている機能性表示食品によって眠りの悩みを解決できる可能性はありますが、ただ摂取していれば改善できると一概に言うことはできません。機能性表示食品の表示にも記載されているように、まずは正しい食習慣を作り、健康的な生活を送れるようにすることが大切です。
機能性表示食品はその一助として捉え、補助的に使用するようにしましょう。機能性表示食品によって改善が早くなる可能性は十分にありますが、生活改善をしないとなかなか効果が出ないこともあります。眠りの悩みを切実に考え、機能性表示食品を手に取ったのをきっかけに生活を改善していく方針を立ててみましょう。
機能性表示食品で眠り対策はできる
機能性表示食品を使用すれば、企業が科学的根拠を明示しているので眠りの悩みの対策に役立てることはできます。実際に解決できるかどうかはケースバイケースで、適切な表示内容の食品を選び、ストレスなく継続するのが大切です。
あくまで補助的に使用するものだと考えて、生活改善の一助として機能性表示食品を活用しましょう。