機能性表示食品の届出をする前にガイドラインを確認しよう

平成27年4月に新しくできた機能性表示食品制度。この制度を利用するには、消費者庁への届出が必要です。特定保健用食品や栄養機能食品とはルールが異なるため、事業者は制度の内容をしっかり理解しておかなければなりません。

ここでは、届出の流れやガイドラインなど、機能性表示食品の届出に関する情報をご紹介していきます。

機能性表示食品届出の流れとは

機能性表示食品の届出をする前に、まずは事前準備をしましょう。消費者庁のホームページで公開しているガイドラインやマニュアル等を確認し、この制度の概要や全体の流れを把握した上で、必要な書面や資料などを揃えていきます。

ガイドラインやマニュアル、関連する資料などは新しい情報が追加されたり、変更が生じた場合には改正されるため、必ず最新版のものをチェックするようにしましょう。次に、ユーザーIDを取得しますが、この時に事業者基本情報の届出などを行います。

その後、該当する食品の新規届け出を行い、消費者庁で受理されたら届出情報が公開されるという流れになっていきます。届出に不備があった場合は届出された情報は公開されることなく、事業者に差し戻されます。その場合は指摘内容に応じて修正を行い、再度提出を行うことになります。

販売予定日の60日前までに届出書や関連資料を不備のない状態で消費者庁長官へ届け出ることが求められているため、計画的かつ適切な資料を作成することが欠かせません。なお、届出は機能性表示食品制度届出データベースより行います。

また、届出資料の内容に変更が生じた場合や販売終了になった場合などは、すみやかに変更届や撤回届を提出することが求められています。

「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」とは

「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」は、全部で145頁ある冊子です。この制度の趣旨や対象食品、対象事業者などがまとめられているため、届出をしたいと考えている食品がそもそも対象となっているのか、誰が届出を行えるのかなど基本的な情報についても確認することが可能になっています。

このガイドラインでは、届出資料の作成を行うための説明が全部で7つの項目に分けて書かれています。まず1つ目は、機能性表示食品の概要や可能な機能性表示の範囲などに関する内容です。2つ目は、安全性に関わる事項がまとめられてます。

評価方法などについて触れている他、提出資料に関する情報も記載されています。3つ目は生産・製造及び品質管理に係る事項、そして4つ目は健康被害の情報収集に関わる事項へと続いており、ここではフローチャートや表などを交えながらまとめられています。

5つ目に解説されているのが、機能性に関わる事項として科学的根拠を説明するために必要な資料や臨床試験、研究レビューなどに関連する項目です。その他には、容器包装への表示や情報開示に関することなどが6つ目の項目としてまとめられています。

最後の7つ目には、届出者の基本情報や機能性表示食品の届出に関する内容が記載されており、この冊子を通して制度に関する様々な情報を確認することができるようになっています。

「機能性表示食品制度届出データベース届出マニュアル」とは

事前準備段階でガイドラインと共に確認しておくことが求められている「機能性表示食品制度届出データベース届出マニュアル」には、実際に機能性表示食品制度届出データベースを使って届出を行う時に必要なシステムの操作方法などのマニュアルがまとめられてます。

このデータベースを利用するためには、事前に食品関連事業者の基本情報の届出を行い、ユーザーIDの取得を行っておかなければなりません。操作する上での注意事項やポイントなどにも触れているため、操作を進める前に必ず確認しておくようにしましょう。

実際の画面表示の画像などを交えながら解説されているため、分かりやすくなっています。このマニュアルを読み進めながら操作を行うことで、スムーズな届出の手助けになってくれるでしょう。また、販売状況の更新や届出情報の変更届出などについても解説しているため、最初の届出が終わった後も保管しておくことが大切です。

時代は健康志向!冷凍食品も機能性表示食品をチェック

手引書を加えることでさらに分かりやすく

公益財団法人日本健康・栄養食品協会では、機能性表示食品の届出をよりスムーズに行うための手助けになるようにと「機能性表示食品ー届出資料作成の手引書ー2020」を発行しています。消費者庁が公開しているガイドラインを読んでも分かりにくいと感じる時には、この手引書を加えてみると良いでしょう。

税抜価格は6,000円となっており、協会会員の場合は税抜き3,000円で購入することができます。この冊子では届出資料の作成方法がわかりやすく解説されており、消費者庁が公表しているガイドラインの対応ページまで記載されているため、2冊を照らし合わせながら読み進めることで機能性表示食品の制度に関する知識をさらに深めていくことができます。

また、事業者が届出の際に間違いやすいポイントなども掲載されているため、参考にしながら作成していくことでより完成度の高い資料の作成ができるようになるでしょう。

円滑に届出を行うためのサポート

消費者庁のホームページには、機能性表示食品に関する質疑応答集も掲載されており、そこでは120を超える質疑応答を確認することができます。対象商品となるかどうかの判断や安全性の根拠、表示の内容についてなどこれまでに寄せられた様々な疑問点を通して、事業者が抱えている様々な問題点をクリアにしていくことができるようになっています。

また、手引書を発行している公益財団法人日本健康・栄養食品協会やアンチエイジング医学に携わる医師が中心となって発足した日本抗加齢協会などでは、事業者の届出を支援する事業も行っています。届出に関する相談や資料の事前点検など様々な支援をしてもらえるため、届出に関する資料の精度を高め、届出やその準備に必要な時間を短縮化できるというメリットがあります。

なお、これらの支援事業で行われる事前点検はあくまでも届出形式などを確認するものであり、消費者庁へ必ず受理されることが保証されているものではない点には注意が必要です。

これで届出も安心!機能性表示食品の手引書とは

事前準備をしっかりと行おう

機能性表示食品の届出をする際には事前にきちんと準備を行い、制度に対する知識を深めておくことが必要です。また、複雑な届け出をスムーズに進めていくためには、様々な資料や支援事業を活用することも有効な手段です。

うまく活用することで、届出にかかる労力をできるだけコンパクトに抑えられるでしょう。まずはガイドラインを確認することをおすすめします。